企画展示「文楽の舞台」平成26年9月13日(土)~11月24日(月)

 現在国立文楽劇場1階資料展示室は企画展示「文楽の舞台」を開催しています!
舞台で使用される大道具や小道具はもちろん、普段お客様の目に触れることのない道具帳と呼ばれる舞台のデザイン画など、ここでしか見れないものがたくさん展示してあります!
門

 入り口から入るとまずは門がお出迎え。門を通り抜けるとその奥には灯籠があります。

 門、灯籠ともに「本朝廿四孝 奥庭狐火の段」で実際に使用する大道具です。灯籠の障子の仕掛けにもご注目ください!

道具帳

 舞台のデザイン画とも言える「道具帳」の数々。
 また、道具帳をもとに書き起こされる「書き抜き」と呼ばれる詳細な図面。これらをもとに大道具が製作されます。

資料
屋台

 舞台で実際に使われている屋台がそのまま展示されています。
 もちろん中に入っていただくこともできます。中には小道具が置いてあり、照明も本番のように設置してあります。

屋台には人形が芝居をするためのさまざまな工夫があります。各部の説明も詳しく書いてありますのでぜひご覧ください!

ショーケースの中に舞台セットのミニチュアが登場!

右:「義経千本桜 道行初音旅」
下:「妹背山婦女庭訓 妹背山の段」

千本桜
 大道具を後ろから見た様子。まさに舞台の裏側!
 普段お客様が目にすることのない部分を隅々までご覧いただける展示となっています!

 ここに載せたものはほんの一部ですので、もっと詳しくご覧になりたい方は、ぜひ文楽劇場1階資料展示室までお越しください!

展示期間:平成26年9月13日(土)~11月24日(月)

開室時間:午前10時~午後6時

会場:国立文楽劇場1階資料展示室
入場料:無料


平成26年正月飾り

明けましておめでとうございます!
ここは文楽劇場の奈落、大道具の製作場です。普段は大道具の製作を行っている場所ですが今はお正月用に飾ってあります。 鏡餅の周りには、なぐり(カナヅチ)、のこぎり、電動ドライバー、筆、刷毛など大道具の必需品が祀ってあります。

劇場の正面入り口には門松と看板が飾ってあり、お正月ムードたっぷりです!

玄関だけではありません!
ロビーもお正月には欠かせない餅花がたくさん飾ってあります。

餅花は麩(ふ)でできています。

舞台以外にもお正月飾りでお楽しみいただけます。


大船の製作

八陣守護城の船の
唐破風屋根の製作
ひっくり返して
 屋根の裏を貼るところ。
屋根の次は船の軸先から現場で型取りをしながら
作っていきます。
骨組みの上に
 ベニアを貼り付けていきます。

高欄も現場で反りを合わせながら
付けてこれで下地は出来上がり。

後は和紙を貼り、絵付けです。


産経新聞「文楽に逢う」より

平成23年11月公演と24年1月公演の準備の様子が12月13日夕刊の産経新聞に掲載されましたので紹介させていただきます。
記事、写真共に頼光 和弘さん

照明が薄暗くなって場面が変わる。
物語はいよいよクライマックスを迎えた。三味線の音色が胸の高鳴りを後押しするように響いてくる。


舞台は親子の悲しい境遇を描いた名作「伊賀越道中双六」沼津の段。
東海道で旅の若者と荷持ちを生業とする老父が出会う。話しこむうち、二人は幼いころに別れた親子だと気付くが、長い年月の間に敵味方の関係となっていたことも知る…。

遠方に富士山を臨む、夜明け間近の千本松原の美しい風景の中で、互いの立場と義理を思いやりながら、親子は永遠の別れをする。

 

 この間、舞台上では場面転換する際に「道具返し」といわれる大道具の技術が使われた。
あらかじめ描かれていた背景が屋台道具のセットに折りたたまれるように隠されていて、パタパタと現れるという仕組みだ。
手品のように、観客の目を楽しませることが狙いで大道具伝統の技術だという。

 

本番さながらに行われる「立て稽古」で大道具係は舞台監督や人形遣いと、綿密な打ち合わせを繰り返す。
 人形遣いから「高さが合わない」と言われれば、その場でセットを切って調整することもある。

 

「昔の人は怖かった。亡くなられた吉田玉男師匠や(先代の)桐竹勘十郎師匠は、すごく厳しいものがあった。威厳があったね」と振り返るのは、製作会社
「関西舞台」の岡本義秀社長。

 

岡本さんの拳には大きなタコができている。
 絵を描く際に手のひらに着いた墨でキャンバスを汚さないよう、手をつくときは拳を支点にして体を支えるためできたのだという。厚いタコが岡本さんの36年間におよぶ誠実な仕事ぶりを証明していた。

 

 

「役者さんが要求するものを全部受け入れる。

『できません』てゆうたらそこで終わりじゃないですか。なんかできる方法を考える」職人の意地とプライドがその言葉ににじみ出ていた。

 

 

写真・文 頼光 和弘

 

 

 

床一面に飛び散った絵の具の跡は一年間の仕事の足跡でもある。年末の大掃除では床に敷かれている布が交換され、きれいな作業場で新年を迎えるという=大阪市中央区の国立文楽劇場
「伊賀越道中双六」(沼津の段) 場面が変わる際に観客の目を楽しませながら、素早く背景を変える「道具返し」の技術。家のセット(上)が手品を見せるようにパタパタと変化し、富士山と千本松原の景色(下)が現れて物語はクライマックスを迎えた=大阪市中央区の国立文楽劇場
     刷毛をつかって手際よく背景を描く大道具係のスタッフ
拳にできた厚いタコは、手のひらについた絵の具を画面に付着させないようにするため、手の甲をついて描くことでできたという。岡本さんの長年にわたる確かな仕事の証しでもある。
         素早い場面転換のため動作は機敏だ
幅10間、高さ2間の大きなキャンバスに背景画を描く大道具のスタッフたち。1枚をほぼ1日がかりで仕上げ、1回の公演で5枚前後の背景を描く。大道具帳と呼ばれる細かなデッサン画を元にチョークで線を描き、絵の具を乗せていく。人形が目立つように景色はあえて細かく描かず、少しぼんやり見せる工夫があるのだという。リズム良く、大胆に走る筆先を見つめていると、絵の具が布地から染み出してきているような錯覚に陥った。
舞台の設計図ともいうべき道具帳。これを元に大道具係は背景を描いていく
舞台監督らと屋台セットの動きを確認し綿密な打ち合わせをする大道具係