この事業は伝統芸能を中心とした歴史・文化の解説や体験などのイベントを開催し、区民の皆様が学びを通じてまちの魅力を再発見しまちへの愛着を深めること、そして参加者皆様の学びがより深まることで地域に根ざした生涯学習のさらなる活性化を目指すことを目的としています。
 「能」は、応仁の乱後、都の荒廃とともに衰退しますが、時の有力者などの支持を受けて確固たる芸能へと定着していきました。
 天下統一の拠点として大坂城を築城した豊臣秀吉は、晩年、自ら舞台に立つほど「能」に熱中しました。秀吉と能の深い関わりを知り、わがまちの魅力再発見をしてみませんか?

        ユネスコ無形文化遺産・日本登録第1号「能楽」

秀吉さんが好きやった

"能"って?

【参加無料】

と き 平成30年10月22日(月)11:00~12:30(10:30開場)
ところ 国立文楽劇場小ホール(中央区日本橋1丁目12−10)
内 容 能『田村』を交えて「能」解説 
 ・扇解説
 ・能面解説と体験
 ・能『田村』謡のワークショップ
 ・能『田村』装束付け
    解説:梅若基徳
 ・まんが紙芝居 能『田村』上映
上演 仕舞『田村』 
定 員 150名(未就学児不可)
問合せ先 電話 090-3270-1198(9:00~18:00、関西舞台)
メール info@kansai-butai.com

出演者紹介
善竹隆司 重要無形文化財総合指定保持者 
一般社団法人 日本能楽会会員、公益社団法人 能楽協会会員、一般財団法人 日本伝統芸術文化財団 代表理事
 中世より代々続く梅若家に生まれ、3歳で初舞台。関西を中心に日本各地で行われる公演に出演のほか、海外公演も多数参加。近年では、源氏物語千年紀記念パリ公演(2008)、オランダ・アムステルダム公演(2010)、ギリシャ・アクロポリス円形劇場公演(2010)、フランス・パリ公演(2012)、アルジェリア公演(2012)、ロサンゼルス公演(2012)、スロバキア公演(2013)、ロサンゼルス日米文化会館薪能公演(2014)、ギリシャ・エピダウロス古代円形劇場(世界遺産)公演(2015)、国立オペラ座スロバキア公演(2016)、ルーマニア・シビウ公演(2016)、ブルガリア・ルセ公演(2016)、フランストゥール・ジャパンフェスティバル(2017)、パリ公演(2017)、ルーマニア公演(2018)等の公演に参加し、国内外で活躍している。
他の古典邦楽や現代演劇、さまざまなジャンルの音楽とのコラボレーションも積極的に模索し、日本の伝統芸能としてだけでなく世界に通じる演劇として、「能楽」の評価を高めていきたいと考える。
2017年12月兵庫県西宮市に「西宮能楽堂」を開館に運営管理の財団代表理事を務める。
著書に「能に観る日本人力」BAB出版
うめわかもとのり
梅若 基徳
あらすじ
田  村  
 東の国のお坊さんたちが都(現在の京都)を見物しに旅に出て、桜満開の清水寺にやってきます。桜に見とれていると、寺の境内で、桜の木の下を掃き清めている少年に出会います。お坊さんが清水寺の事やこのあたりの名所のことを尋ねると、少年は、「清水寺は大同二年坂上田村麿(さかのうえのたむらまろ)の御願により創立されたもの」といって、「南に見える塔は清閑寺(せいがんじ)、その向こうは今熊野(いまぐまの)、北に入相(いりあい)の鐘が聞こえるのは霊山寺(りょうせんじ)だよ」と、あたりの名所を教えてくれます。
 そのうちに、音羽山の上に月が出てきました。お坊さんと少年は、桜満開の美しい夕暮れの景色を眺めて楽しみます。「花の美しい香、月の清い光、春の一刻は千金に値する」と絶景に酔ったお坊さんは、ふと少年の事を不思議に思って名前を尋ねます。少年は「気になるなら、私の帰るところを見て」と言って、田村堂へ入っていきました。
 お坊さんたちは、近所の人に田村堂に祀られている坂上田村麿の事を教えてもらいます。そして、お坊さんたちは一晩中、田村麿のために、桜の散る木陰に座り月の光に心を澄まして法華経を唱えました。
 すると、武将姿の田村麿の霊が現れて「私は、帝の命令によって伊勢路・安濃の松原あたりで、たくさんの敵と戦うことになった。私は清水寺に来て、千手観世音(せんじゅかんぜおん)様に一生懸命にお祈りすると、千手観世音様が現れて、千の手の一つ一つに弓矢を持って、敵に向かってその矢が飛ばされた。そのおかげで、敵はみな倒された。これは、まさに観世音様のお力である」といって、田村麿の霊は消えていきました。

<みどころ>

 「箙(えびら)」「八島(屋島とも書く)」とともに、勝修羅三番(かちしゅらさんばん)のひとつです。勝修羅とは、勝ち戦の武将を主人公とする修羅能のこと。この曲の主人公は、征夷大将軍・坂上田村麿で、悲壮感はなく、雄々しい姿が描かれ、祝言の色彩も帯びています。前半では、田村麿の化身である少年を主人公に、清水寺の花景色、とりわけ桜の陰に月明かりが洩れる春の宵が美しく描写され、優美さ、華やかさが際立ちます。後半は一転して、武者姿の田村麿が登場し、一代の戦記を語り、敵をなぎ倒した往時の勢いを現します。今回は、後半の力強い田村麿の舞をごらんいただきます。

開催の様子 
文楽劇場正面玄関 受付の様子
開演前のロビー、会場内の様子

能『田村』を交えて「能」解説

まず最初に梅若基徳さんより能の歴史や能舞台に描かれた老松の由来についてお話ししていただきました。

扇解説

扇解説では扇の絵柄が何を表しているのかについて詳しく教えていただきました。

能面解説と体験

能面解説の後、希望者10名に舞台に上がってきていただき、能面を付けていただきました。
能面を付けた時の視界は大変狭く、体験者の皆さんにはその状態ですり足で歩く体験もしていただきました。

能『田村』謡のワークショップ

謡のワークショップでは客席の皆さんも一緒に『田村』の詞章を読みました。

能『田村』装束付け

「田村」で実際に使用する装束を着付をしながら解説していただきました。

仕舞『田村』

最後に仕舞『田村』を実演していただきました。                      
仕舞とはシテ(能と狂言の主役のこと)の所作の見どころを抜き出して舞う上演形式のことです。

この事業はサテライト大阪環境整備協力費で実施しています
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