桜が満開の信田の森の場面です。桜や榊の立木、菜の花には造花が使われています。
保名と葛の葉が阿倍野(現在の大阪市阿倍野区)に隠れ住んでいる家です。下手の遠見には四天王寺の五重塔が描かれています。終盤で正面の襖が開きます。襖の奥から何が現れるかご注目ください。
葛の葉が信田山へと帰って行く道行の場面です。一面に菊の花が咲き乱れ、照明はろうそくに似せた瑠璃燈が吊りさげられ幻想的な舞台になっています。
波幕の裏で転換が行なわれます。波幕が振り落されると、前段で下手に見えていた松の木がセンターに、背景は浜辺になっています。
次の景へは『返し』と呼ばれる見せ転換によって舞台転換を行ないます。
屋台はアオリという技法で本のページをめくるようにパネルを折り返して変化させます。下手側は上から竹の切り出しパネルが下りてきます。
下手には小舟、上手には大船があります。終盤で大船が上手へゆっくりと移動します。
こちらの背景はドロップ(幕)になっており、上に飛ばされると後ろから次の景が現れます。
幕中での転換となります。
登場人物のお柳(おりゅう)は人間ではなく柳の精です。そのため屋台には壁を通り抜けたように見せる仕掛けや、壁が回る「田楽」と呼ばれる仕掛けがあります。
四季の情景を四つの場面に綴った景事物。(演奏は節が多く、人形は舞踊的な所作をします) 春――正月を迎え、門松が立ち並ぶ町の風景です。
秋――近江国の逢坂関にほど近い関寺、ススキ野原の風景です。
この屋台では船底に式台が設けられています。式台とは土間と一段上がった床部分との間に設置される一段低い板のことです。武家屋敷にて、来客者が地面に降りることなく、かごに乗れるように設けられた板の間でした。
一景目は海波の背景幕です。大前手すりも海波になっています。
この段では着ぐるみの虎が登場します。虎の足元が見えるように、この場面では大前手すりがありません。
途中で華燈幕(かとうまく)が振り落され、奥に城壁が現れます。
【車曳の段】